上位互換・下位互換・相互互換という概念【遊戯王マスターデュエル】

ゲーム

遊戯王カードでは、カードとカードを比較するのに上位互換・下位互換・相互互換という言葉がよく使われます(遊戯王に限ったことではないですが)。

ご‐かん【互換】 の解説

[名](スル)互いに取りかえること。また、取りかえのきくこと

goo辞書より

つまり、互換関係にあるカードであれば入れ替えてデッキを組んでも同じような動きができるということですね。

それをさらに分けて、『相互互換』というのはほとんど能力が変わらない場合や、互いに一長一短ある場合に使います。

例えば、攻撃力・守備力・種族・属性・レベルが全く同じな『マスター・アン・エキスパート』と『キラー・パンダ』は相互互換であると言えます。

また、能力が同じでなくとも『サイクロン』と、ライフコストが必要になった代わりに除外できるようになった『コズミック・サイクロン』等も状況や環境、デッキとの相性による差はありますが基本的には相互互換であると言えます。

こういった似たカードの組み合わせというのは多数ありますが、「完全な」相互互換というとなかなか見つかりません。

上に挙げたキラー・パンダとマスター・アン・エキスパートですら、キラーパンダは『バロックス』の融合素材にできるという違いがあります。

ちなみに、遊戯王wikiにはマスターアンエキスパートはキラーパンダの完全下位互換と断言されていますが、相手のEXデッキにバロックスが入っていた場合、超融合で素材にされてしまうデメリットもあるので下位互換と言い切ることはできないと思います。

 

そして、互換の中には『上位互換』『下位互換』という言葉もあります。

似たような働きはできるけど、より強い効果を持つのが『上位互換』、その逆が『下位互換』ですね。

例えば何のコストも制約もなく相手の場のモンスターをすべて破壊する『サンダーボルト』

これと比較したとき、自分のモンスターまで破壊してしまう『ブラックホール』や、手札を捨てる必要がある上表側モンスターしか破壊できない『ライトニング・ボルテックス』は下位互換であると言えます。

しかし、竜星などの破壊されたときに効果を発動するモンスターを使う場合や、墓地で能力を発揮するカードを手札から墓地に送りたい場合はブラックホールやライトニングボルテックスの方がサンダーボルトよりも優秀な働きをします。

このように、完全下位互換や完全上位互換もなかなかありません。

ちょっと屁理屈っぽいかもしれませんが、一見すると完全上位互換・完全下位互換に見える『治療の神ディアンケト』『天使の生き血』等のライフ回復系のカードも回復量が多いと『シモッチによる副作用』をチェーンされた時のバーンダメージを多く受けてしまうので一概に上位・下位を決めつけることはできません。

同じように『火の粉』『昼夜の大火事』などのバーンカードも、『地獄の扉越し銃』などではね返された時のダメージを考えると完全上位・下位互換とは言い切れません。

さらに、モンスターの攻撃力についても『魔法の筒』で攻撃をはね返された時のダメージ量や『いたちの大暴発』などの攻撃力を参照するカードを考えると高いほど強いと言い切ることもできません。

 

というわけで、前置きが長くなりましたが今回は「これはどう擁護しても完全下位互換としか言いようがないだろ」というカードを5組探してきました。

 

①『聖なるバリア -ミラー・フォース-』と『閃光のバリア -シャイニング・フォース-』

どちらも相手モンスターの攻撃宣言時に発動でき、相手の場の攻撃表示モンスターを全て破壊するという同じ効果を持っていますが、シャイニングフォースの方はさらに「相手フィールド上に攻撃表示モンスターが3体以上存在する場合」という条件が追加されています。

全く同じ効果なのに条件だけ厳しいのでこれはもう完全下位互換と言ってしまっていいでしょう。

ただ、これはミラーフォースが長い間制限カードに指定されていたため、「性能を落とした代わりに3枚積めるようにする」という狙いがあったと思われます。

しかし今ではミラーフォースも制限解除され3枚積めるようになった上、『ミラーフォース・ランチャー』などという専用サポートカードまで出てきてしまったのでシャイニングフォースを活躍させるのはなかなか厳しそうです。

 

②『八式対魔法多重結界』と『フォース・フィールド』

どちらも「フィールド上のモンスター1体を対象とする魔法カードが発動したときに無効にして破壊する」という効果を持ったカウンター罠ですが、八式魔法多重結界の方はさらに「手札から魔法カード1枚を捨てて魔法カードの発動を無効にして破壊する」という効果と選んで使い分けることができます。

全く同じように使うことも出来るし、他の使い方をすることもできるのでこれも完全下位互換と言い切っていいでしょう。

 

③『昇天の角笛』と『ライト・バニッシュ』

どちらも「自分フィールドのモンスター1体をリリースしてモンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にして破壊する」という効果を持ったカウンター罠ですが、昇天の角笛は何をリリースしてもいいのに対してライトバニッシュは「ライトロード」モンスターをリリースしなければならないという条件がついています。

こういう場合、たいていは代わりにそのテーマ専用のサーチができるとか、なんらかのシナジーがあるものですがライトバニッシュの場合はライトロードデッキに入れてもなんのシナジーも生みません。

今後、「ライトロード」と記されたカードをどうこうするみたいなカードが出たら、もしかしたら活躍の機会が生まれるかもしれません。

 

④「魂の解放」と「墓堀りグール」

どちらも墓地のカードを除外する効果を持っていますが、「墓堀りグール」は相手の墓地のモンスターカードしか除外できず、除外できる枚数も2枚までなのに対して「魂の解放」は自分の墓地からも除外できるし魔法罠も除外できるし5枚まで除外できます。

魂の解放で相手の墓地のモンスターを2枚か1枚除外するということもできるので、これも墓堀りグールが完全下位互換と言っていいでしょう。

ただ「グール」というのは創作界隈ではわりとポピュラーな怪物なので、もし今後テーマとして「グール」カードが出てくるようなことがあれば使い道が生まれるかもしれません。ほとんど妄想の域ですが。

 

⑤「転生の予言」と「希望の光」

どちらも「墓地のカードを2枚デッキに戻す」効果を持っていますが、「希望の光」は「自分の墓地の光属性モンスター」しか戻せないのに対して「転生の予言」は相手の墓地でも、魔法罠でも戻せます。

当然、転生の予言で自分の墓地の光属性モンスター2体をデッキに戻すこともできるので完全下位互換と言っていいでしょう。

特に相手の墓地のカードを戻せるのは、相手の戦略を崩すことができる可能性が高いのでかなり大きな差になっていますね。

 

他にもまだあるとは思いますが、思った以上に少なかったです。

一見弱そうに見えるカードでも思わぬ力を発揮することがあるのは遊戯王の大きな魅力ですね。

今回完全下位互換として挙げたカードも、さらに屁理屈をこねれば『禁止令』や『抹殺の指名者』で指定されにくいとか、シフトチェンジで奪われた時の悪影響が少ないとか一応言い訳することもできます。

さらに、カードの効果だけにとらわれず、名前やイラストが自分の好みだったりデッキに合っているかって着眼点も楽しみ方の一つとしてアリだと思います。

いろんな可能性を模索して自由に楽しんでいきましょう!

 

以上!

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