『異世界ひろゆき』というこの世の終わりのような作品が生まれてしまう

漫画

2022/7/8より、「となりのヤングジャンプ」にて『異世界ひろゆき』という作品が連載開始されました。

[第1話①] 異世界ひろゆき ーとなりのヤングジャンプ

 

昨今世の中に氾濫しすぎていて同じような作品ばかりな印象の異世界転生・転移ですが、今回はあの2ちゃんねる創設者・ひろゆきさんが勇者として異世界に召喚されてしまうというトンデモ作品です。

「とうとうここまで来たか…」と思わずにはいられませんでしたが、実はこれ16年前には漫画投稿サイトに投稿されていたそうです。先見の明があったとでも言えばいいのでしょうか

異世界ひろゆき

あらすじ

100年に一度、人類は異世界から「勇者」を召喚する事で長い間 魔王軍を退けていた。

しかしある時、魔王軍が勇者への対抗策を閃いた。それは召喚直後、無防備状態の勇者をハメ殺すというもの。 大魔王はこの歴史的な偉業を記念して、この年を「ハメ殺し元年」と定めた。

以来、勇者は全て魔王軍にハメ殺され、現在。ハメ殺し暦1000年目の召喚士はとても悩んでいた。

「どんな勇者を呼べばいいの? わからない…誰か私の悩みを消し去って!」。

かくして召喚された勇者は、2ちゃんねる創設者にして論破の達人、ひろゆきだった…!!

原作:戸塚たくす

作画:西出ケンゴロー

監修:ひろゆき

ろんぱ【論破】 とは

議論して他人の説を破ること。言い負かすこと。

しっかりご本人が監修されています。

作中で勇者ひろゆきは、「通常の攻撃を無効化し、代わりに言葉による精神的ダメージを肉体へのダメージに変換する」『論破王』と言うチートスキルを以て大魔王と戦います。

実際にひろゆきさんが言ったとされる台詞やエピソードがふんだんに使われ、それがしっかりと戦闘描写に活かされていて想像以上の読み応えがありました。

 

ただ、個人的には「論破」って言葉あまり好きじゃないんですよね。

ひろゆきさんの話がエンタメ的な意味で聞いていて面白いというのは分かるんですが、実生活で「論破」が役に立つことはほとんどないと思っています。

というのも、現実で起きる議論のたいていは相手との妥協点を探したり、協力してよりよい案を導き出すために行われるもので、決して「相手を言い負かすこと」を目的にはしていないからです。

例えば、「学校のクラスで文化祭の出し物を決めましょう」って議論の時に相手の気持ちを慮ることをせず反対意見を悉く否定してしまったら、自分の意見を通せたとしてもクラスの仲が険悪になって楽しい文化祭ではなくなってしまうかもしれませんよね。

 

また、ひろゆきさんの名言で本作でも決め台詞的に使われていた「それってあなたの感想ですよね?」という言葉がありますが、あれは「論理的な議論をする場」という前提があって初めて効く言葉であって実社会においては論理よりも感情の方が重視される場面は多々あります。

「あの映画面白かったよね!」って話に「それってあなたの感想ですよね。この映画の興行収入はどうたらこうたらで…」とか言っても「なんやこいつ…?キモ…」って思われるだけですよね。

 

なので理屈や屁理屈で相手を黙らせても、嫌われるだけでいい結果には繋がりません。

ひろゆきさんの「論破」はあくまでそういうエンタメとして成り立っているのであって、「論破」という言葉だけが独り歩きして真似してしまうキッズが増えないかと心配になってしまいます。

 

しかしそういう意味で、本作での「論破」が「相手と議論する」ことよりも「言葉によって相手に精神的ダメージを与える」ことを意味した「攻撃手段」になっているのは「論破王」の本質をとらえている感じもして面白かったですね。

 

第一話で大魔王を倒してしまい、ストーリー的にも本人のネタ的にも「この先どう続けていくんだろう…」とは思いますが次回は7/15更新でしっかり続いていくようなのでチェックしていきたいと思います。

皆さんも是非読んでみてください!

 

以上!

 

 

コメント

  1. 論破大臣 より:

    論破嫌いみたいな話の中で論破という行為を論破しようとしてて草

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