逆に扇は超有能だという説を提唱していきたい【コードギアス 反逆のルルーシュ】

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先月、ゲーム『コードギアス 反逆のルルーシュ ロストストーリーズ』がリリースされましたね。

3年以上待ってたDMMの新作ゲームがついにリリース『コードギアス 反逆のルルーシュ ロストストーリーズ』をやってみた所感 2022/5/18

それでふと懐かしくなってコードギアスのアニメを改めて見直してみたら気が付いたことがあります。

それは「扇要は巷で言われているほどクズでも無能でもないし寧ろ超有能なんじゃないか?」ということです。

 

コードギアスの扇と言えば、作中でも屈指の嫌われキャラクターです。

google検索のサジェストなど酷いものです。

これが敵役として登場したゲス野郎ならば分かりやすいですが、扇は主人公であるルルーシュ(ゼロ)率いる黒の騎士団の副官として長期間ともに行動した仲間で、性格も善良なキャラクターです。

こういったキャラクターが嫌われるというのはかなり珍しいことだと思います。

 

ならばなぜこれほど無能だのクズだの嫌いだのと言われているのかと言うと、主に

①副官という立場にいながらゼロに頼りきりで何もせず、挙句首相という立場まで手に入れた。

②散々ゼロの世話になっておきながら、敵であるシュナイゼルの言葉に騙されて裏切った。

③ブリタニア人であるヴィレッタと関係を持ち、挙句孕ませた。

④髪型がもっさりしていて鬱陶しい

という4つの理由が考えられます。

 

私も初見の時はそう思いました。

何しろコードギアスはルルーシュというキャラクターの魅力で成り立っていると言っても過言ではない作品なので、それを裏切った時は「本当にこいつクズだな」と思ったものです。

しかし、年月が経って当時よりは多少広い視野を持てるようになった上で冷静に視聴し直した結果、①~③は的外れな意見であり、扇は非常に有能で魅力あるキャラクターであることに気づいたのです。

④は人それぞれの好みの問題なので除外します。

 

というわけで一つずつ反論していきます。

①副官という立場にいながらゼロに頼りきりで何もせず、挙句内閣総理大臣という立場まで手に入れた。について

扇が目立った活躍をしていないというのは確かです。しかし、扇のような立場の人間にとっては「問題を解決する」ことだけでなく「問題が起きないようにする」ことも重要だと思います。

ゼロは圧倒的な行動力とカリスマを持っていましたが、黒の騎士団の大半の構成員とは違うブリタニア人であり、若い学生です。団員とは根本的に異なる価値観を持っていて、ゼロの力だけで団をまとめることができたとは思えません。

そこをフォローして様々な問題を未然に防いでいたのが扇の存在なのではないでしょうか。実際に何か行動したわけではなくとも、存在していること自体が周りに影響を与えるということもあります。

また、未然に防いでいたのであれば作中でその様子が描かれないのも道理です。

 

扇は黒の騎士団の母体となったレジスタンスを元々率いており、最初から団員たちの信頼も厚く彼がいたからこそ着いてきたメンバーも多いでしょう。

逆に扇がいなかった場合を考えると、ゼロについていけずに次々とメンバーが離れて空中分解してしまっていたのではないでしょうか?

そしてもし、扇がバリバリに行動して圧倒的な存在感を放つようなキャラクターだったら、騎士団内部の人気をゼロと二分して派閥争いが起きていた可能性があります。おそらく狙ったのではなく天然なのでしょうが、そういったバランス感覚は素晴らしいです。

現実でも、特別存在感があるわけではないんだけど、そいつがいないとグループがまとまらなくなっちゃうっていう人いませんか?そういう感じです。

 

もちろんそれは私の想像に過ぎませんが、少なくとも最後まで黒の騎士団という組織を存続させたという実績は評価できると思います。実際に作中でのルルーシュからの扇への評価は低いものではありませんでした。

 

戦後首相になっていることについては、黒の騎士団での実績とブリタニアとの関係性から言っても妥当だと思いますが、ご褒美というよりはむしろ罰ゲームだと思います。

数年ぶりに主権を回復した激動の日本で総理大臣を務めるのは尋常ではない負担でしょう。

本編から1年後の世界を描いた「復活のルルーシュ」では首相の座を自ら退いていますが、仲間たちからは相変わらず慕われていることが分かります。

 

②散々ゼロの世話になっておきながら、敵であるクロヴィスの言葉に騙されて裏切った。について

これに関しては、実は「騙されたかどうか」は重要ではありません。

「ブリタニアを倒す」ことを目的にしていたのはゼロであり、扇や大多数の団員の目的はあくまで「日本を取り戻す」ことでした。

「日本を取り戻す」ためには「ブリタニアを倒す」ことが必要だと言い続けていたのはゼロであり、実際に行動と結果でそれを示していたからこそ団員はついて来ました。

彼らには具体的にどうやって「日本を取り戻す」のかというヴィジョンがなかったからです。

しかし時折見せるゼロの不可解な行動や第二次トウキョウ決戦での壊滅的な被害を見れば「ブリタニアを倒す」ということ自体に疑念を抱いても仕方ないでしょう。

R2第19話のあの事件の時点で、シュナイゼルの話が事実であろうがなかろうが

・ゼロに従ってブリタニアと戦争を続けて、勝利する

・シュナイゼルと取引して戦争を終わらせて日本を返してもらう

のどちらがより「日本を取り戻す」のに現実的な手段かと言えば間違いなく後者だというわけです。

 

実際、本編の結果として日本を取り戻すことには成功しており、もし最終的にルルーシュが敗北しシュナイゼル側が勝利していたとしても、戦いで大きな役目を果たした黒の騎士団はある程度の地位を得た上で日本を取り戻せたはずです。

しかし、もしあそこでゼロを裏切らずブリタニアとの戦争を継続していたらルルーシュの精神状態から言っても状況は絶望的で、敗北した場合日本はイレブンとしてより過酷な仕打ちを課せられていた可能性もあります。万が一勝つことが出来たとしても、フレイアへの対抗策がない以上日本本土は深刻な被害を受けて再起は絶望的だったでしょう。

 

つまり、「日本を取り戻す」という扇や黒の騎士団メンバーの本来の目的から言えば、ゼロを裏切ってシュナイゼルの手を取るというのは最適解でした。

さらに、よりメタ的な視点で言えば、あそこで裏切っていなければルルーシュはナナリーを失った絶望から立ち直ることが出来ずシャルル・マリアンヌの計画が実現してしまったでしょう。

目的達成のために、ゼロへの情を捨ててより現実的な手段を取って成功した扇は極めて有能だったと言えます。

 

「それはそれとして裏切りはクズ」という意見もあると思います。

しかし扇の「日本を…返せッ!信じた仲間を裏切るんだ…せめて日本ぐらい取り返さなくては、俺は自分を許せない!」というセリフを聞けば、扇もそれを自覚していること、「日本を取り戻す」という目的と天秤にかけるほどゼロのことを大事に想っていた上での苦渋の決断であったことが分かります。

また、信頼関係についてはここまで自身の素性を一切隠していたゼロ(ルルーシュ)の方により大きな問題があります。行動と実績だけで信頼を勝ち取っていたのに、それが揺らいだらついていけるはずもありません。

ここまで葛藤していた扇はむしろ情に熱い男だと言えます。

 

③ブリタニア人であるヴィレッタと繋がり、挙句孕ませた。について

これに関しては童貞の僻みであると一言で切り捨てることができます。

まず扇が負傷したヴィレッタを連れ帰ったのは善意によるものです。下心が全くなかったと言い切ることはできないかもしれませんが、人命を救ったその行動自体は賞賛されるべきことのはずです。

そしてヴィレッタの記憶が回復した際に混乱こそありましたが、最終的に結婚して仲睦まじい家庭を築いていることからも一時の性欲の暴走ではなく確かな愛のもと身体の関係があったと分かります。

記憶を失い身寄りのない千草(ヴィレッタ)にとって、肉体的な繋がりは心の安らぎでもあったかもしれません。

「それでも避妊くらいはしろよ」と思う方もいるかもしれませんが、荒廃したゲットーでコンドームが容易に手に入る物なのかは疑問です。

 

以上のことから、扇が巷で言われるようなクズで無能なキャラクターではないと分かったと思います。

テレビ放送から10年以上たった今でも扇への侮蔑が消えないのは本当に不憫なことです。

もしロスト・ストーリーズで☆4扇のガチャが実装されたら私は課金してでも引きにいくでしょうね。

 

このように過去のアニメを見返すことで新しい発見をすることもあるので、皆さんも時間のあるときは是非懐かしアニメを再び観てみてください。

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以上!

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