今回は遊戯王の難解なルールで最も有名とも言える「タイミングを逃す」について話していきます。
「タイミングを逃す」と言うと、日常生活でも使う一般的な言葉だと思いますがこれも立派な(?)遊戯王用語です。
これには前のチェーンについての基本と「任意効果・強制効果」の話も深く関わってくるので読んでいない方は是非そちらからお読みください。
まず、「タイミングを逃す」という概念を理解するにあたって重要な要素が
①タイミングを逃すカードと逃さないカード
②どういう時にタイミングを逃すのか
の2つになります。
まず①タイミングを逃すカードと逃さないカードについて
これはもう数学の公式のように覚えてください
■タイミングを逃す
・~時、~できる(任意効果)
■タイミングを逃さない
・~時、~する(強制効果)
・~場合、~できる(任意効果)
・~場合、~する(強制効果)
です。
「時の任意」はタイミングを逃す
「場合の任意」と「強制」は逃さない
です。
では続いて②どういう時にタイミングを逃すのかについて
主に3つのパターンがあります。
1.チェーン2以降で発動条件を満たした時
2.一連の効果の途中で発動条件を満たした時
3.コストやリリース、特殊召喚の素材となり墓地へ送られた事で発動条件を満たした時
遊戯王wikiより引用
まず1.チェーン2以降で発動条件を満たした時について
以前に説明したようにチェーン処理は逆順処理となり、一度全てのチェーンが解決されるまで他のカードを割り込ませて発動させることはできません。
例えば「このカードが墓地に送られた時~できる」という効果を発動したい場合、チェーン2以降で墓地に送られるとその後に他のカードの処理がされるため全てのチェーンが解決されたときには既に「このカードが墓地に送られた時」ではなくなっているという理屈です。
デュエルリンクスでも戦術としてよく使われていた事例を出すと、
「ユベル-Das Abscheulich Ritter」という破壊されて墓地に送られた時にデッキから「ユベル-Das Extremer Traurig Drachen」を特殊召喚できるというモンスターがいます。
強力なモンスターですが、実は「タイミングを逃す」という概念を利用すると簡単に対処できてしまいます。
チェーン1:エンドフェイズに「ユベル-Das Abscheulich Ritter」の効果発動
チェーン2:サンダー・ブレイク
すると
チェーン2解決:サンダー・ブレイクにより「ユベル-Das Abscheulich Ritter」破壊
チェーン1解決:「ユベル-Das Abscheulich Ritter」の効果により場のモンスターを全て破壊
破壊されたユベルが進化態の「ユベル-Das Extremer Traurig Drachen」を特殊召喚する効果を使えるのはチェーン処理が全て終わってからですが、その時には既に「このカードが破壊された時」ではなくなっているので、タイミングを逃してユベルを特殊召喚することはできません。
もしこれが~場合と書いてあったなら特殊召喚できます。
なので、このように破壊された時に何かしてくるようなモンスターがいれば、チェーン2以降で破壊すれば効果を使われないということになります。
続いて2.一連の効果の途中で発動条件を満たした時のパターン
ラヴァル炎火山の次女が破壊輪の効果によって破壊されたとします。
チェーン1で破壊されているなら特殊召喚できそうですが、実はこれもタイミングを逃します。
それは破壊輪の効果が、モンスターを破壊した「後に」相手にダメージを与える処理だからです。
破壊された後に「効果ダメージ」という別の出来事が起きているため、これも効果処理が終わった時点で「破壊された時」ではなくなってしまっているというわけです。
ここで難しいのが、処理が「同時に行われる」のか「分けて行われる」のかということです。
破壊輪は「モンスターを破壊する」のと「自分にダメージを与える」までは同時で、「相手にダメージを与える」のみその後に処理するという裁定になっています。
デストラクトポーションなどは破壊と回復が同時に行われるため、タイミングを逃しません。
一度句点(。)が入っていたり、はっきり「その後」という文言が入っていれば別々の処理で、そうでなければ同時という認識でよさそうですがこれもよく分からなければWikiや公式DBを確認しましよう。
最後に3.コストやリリース、特殊召喚の素材となり墓地へ送られた事で発動条件を満たした時について
先ほども例に出したラヴァル炎火山の次女を素材にシンクロ召喚した時、「シンクロモンスターの特殊召喚」という出来事が挟まっているためタイミングを逃します。
ここまでくるとあまりに理不尽に思えますがそういうものなので仕方ありません。
同様に、効果発動のコストにしたときもタイミングを逃します。
同じテーマの「ラヴァルのマグマ砲兵」の効果を発動するために墓地へ送ってもタイミングを逃すので、設計ミスとしか思えません。
ソロデュエルのジェムナイトのレンタルデッキで「どうして…!?」ってなった人も多いんじゃないでしょうか。
そして~時ではなく~場合と書いてあればこれらの状況でも発動することができます。
「タイミングを逃す」の基本はこんな感じです。
ちょっと難しい…というか、私自身もちゃんと理解できてるのか怪しいところではありますが、マスターデュエルでは「タイミングを逃しているため発動できません」と表示してくれるので、「なんで今のはだめだったんだろう」と考えてみるようにすると理解しやすいかもしれません。
慣れてくると自分がタイミングを逃さないようにするのはもちろん、相手にタイミングを逃させるようなプレイングもできたりするかもしれないので頑張ってみましょう。
以上!
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