別冊少年マガジン2019年1月号に掲載された『進撃の巨人』第112話について、4つに分けて内容をまとめ・考察してみました。
③エレンの本心
今回は③エレンの本心 についてです。
③エレンの本心
今回最も衝撃的だったミカサに対するエレンのセリフ(以下原文ママ)
「オレがこの世で一番嫌いなものがわかるか?不自由なやつだよ。もしくは家畜だ。そいつを見ただけでムカムカしてしょうがなかった。その理由がやっとわかったよ。何の疑問も抱かずただ命令に従うだけの奴隷が見るに堪えなかった。オレは…ガキの頃からずっと、ミカサお前がずっと嫌いだった」
最初読んだときには本当にびっくりしました。えっそこまで言う?って感じです。これを聞いたミカサの「うう…」と涙を浮かべる表情はとてもよかったです。戦闘シーンの迫力とかもそうですが、こういう人間の複雑な感情を描くのが諌山先生はとても上手だと思います。
ですがこのセリフがエレンの本心だとはとても思えません。ここ最近の話では少年時代とは別人のように変わってしまったエレンですが、元々はちょっと過激な面はあるものの友達思いで仲間思いの優しいやつだったはずです。「ガキの頃からずっと嫌いだった」と言いますが、そう感じた場面も僕の記憶の限りはありません。若干ミカサの執着が一方通行気味な気はしてましたが。
アルミンが指摘したように、結局今回エレンはミカサとアルミンに何が言いたかったのか。「ミカサを傷つけることが君が求めた自由か?」と問われて言葉に詰まっています。
若干話はそれますが、思いもよらなかった情報を知ると誰かにそれを言いたくなりますよね。よくある話だと「○○って××ちゃんのこと好きらしいよ~」みたいな。こういう話って自分がしゃべっているときは楽しいかもしれないですけど知らずに誰かを傷つけていることが多々あるんですよね。意図していなかったとしても。
今回はシリアスな展開なのでそんな俗っぽい話ではずなので、やはりエレンはミカサやアルミンを自分の危険な状況から遠ざけるためにあえて傷つけるようなことを言ったんじゃないでしょうか。実際兵団側からエレンとグルなんじゃないかと疑われてたりしたし。
更に、エレンには巨人の任期という寿命が迫っています。まもなく訪れる避けられない別れの前に、ミカサのエレンへの執着をなくそうという優しさもあったのかもしれません。
そうまでして成し遂げたいエレンの目的についてですが、今回自由であることに異常なこだわりを見せたエレンがジークの計画にそのまま乗っかっているだけというのも考えづらいです。過去の調査兵団の大半を虐殺したジークと仲良くやっているのも不自然です。
ミカサの回想では1年前の時点では少年の頃とそう変わっていない様子だったのでマーレへ潜入しジークと直接接触するようになってから今の別人のような冷徹な男に変わってしまったのは間違いないと思いますが、いったい何がそこまでエレンを変えてしまったのか。一応主人公なので本当にジークに操られているなんてことはないと思いますが。
やっぱりエレンは本心からジークに共感しているのではなく、あくまでエレン自身の目的のためにジークを利用しているのでしょう。前回でジークの目的は世界ごと人類救済みたいなことなんじゃないか的なことを書きましたが、最終的なゴールもエレンとジークでは違ってくると思います。
これは完全に妄想ですが、エレンはあえてミカサたちを突き放して距離を置き、ジークと結託しているように見せかけて土壇場で裏切りジークの野望を阻止、自分が全ての巨人の力を集めて世界の怨恨を一身に集めた上で消滅して世界を平和にする「エレン・レクイエム(分かんない人はコードギアス見て)」を目論んでいるんじゃないでしょうか。
今回明らかになった新情報はほとんどが「エレンがジークから教わったこと」を「エレンがミカサとアルミン(とガビ)に話していることなので、ジークもしくはエレンが嘘をついているという可能も充分にあります。特にアッカーマン一族の件はほぼ確実にエレンのブラフが入っていると思います。なぜならケニーやリヴァイがミカサ並みに誰かに執着することは全く想像できないからです(完全に僕の主観ですが)。エレンの真意についてもジークの目的同様、現時点では確かなことは分かりませんが、今の悪役ムーブはほどほどにして最後には主人公らしいカッコイイ活躍が見られることを期待しています。
次は④一級フラグ建築士リヴァイ についての考察です。
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