最近放送開始された、令和仮面ライダー第四弾となる『仮面ライダーギーツ』が人気漫画「GANTZ(ガンツ)」と似通っていると巷で話題になっており、GANTZの原作者・奥浩哉先生ご本人が直接言及したことでちょっとした炎上騒ぎになっています。
今やってる仮面ライダーのプロデューサーさん、GANTZの著作権切れてると思ってるのかな笑
— 奥 浩哉 (@hiroya_oku) September 18, 2022
※この記事の内容には漫画『GANTZ』と、放送済みの『仮面ライダーギーツ』のネタバレを含みます。
私も『GANTZ』は好きな作品で全巻読みましたし、『仮面ライダーギーツ』も2話まで視聴しましたが、正直に言うとギーツを観て「これGANTZじゃん」と思ってしまったのは否めません。
しかし結論から言うと、個人的には著作権に触れるともパクりだとも思わないし、明確な根拠もなく似ているというだけで作者本人がこういう発言をするのはカッコ悪いと思います。
両作品のあらすじはこんな感じ。
GANTZ
地下鉄のホームで撥ねられ死んだはずの玄野、加藤は謎のマンションの一室に一瞬にして転送される。
そこに置かれた得体の知れない黒い球の指令により、ねぎ星人の暗殺を命じられた玄野らは、状況を把握できないままねぎ星人の元へと転送される。
マンションにいた仲間によってねぎ星人は殺されるが、新たなねぎ星人が現れ…。
仮面ライダーギーツ
「おめでとうございます。今日からあなたは仮面ライダーです」ドライバーとIDコアが届いたら、それは仮面ライダーへの片道切符。世界は“ジャマト”の脅威にさらされている。
どこから来るのか、何が目的なのかはわからない。
ジャマトの脅威から街の平和を守るため誕生した“デザイアグランプリ”。
招待された参加者が仮面ライダーとなり、敵の出現に応じて、ゲーム形式で競いあう。
そしてゲームステージを勝ち抜いた勝者“デザ神”が手にするのは、理想の世界を叶える権利。
「こんな世界は終わらせよう。もう一度やり直すために」浮世英寿、彼もまたドライバーとIDコアを手に入れた。
(C)2022 石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映
あらすじを見ただけだとあんまりピンと来ませんね。
私が実際に観て似ていると感じた点は以下の通りです。
①一般人が謎の女性から突然参加者に選ばれてデザイアグランプリという戦いに巻き込まれる(ギーツ)
⇒死亡した一般人が謎の黒い球体・ガンツに蘇生されて戦いに巻き込まれる(ガンツ)
②参加者として選ばれると変身ベルトを支給され仮面ライダーに変身できる(ギーツ)
⇒プレイやーはガンツから支給される強化スーツを着用することで超人的な力を発揮できる(ガンツ)
③ミッションが与えられ、最後の1人になるまで勝ち残ると願いを叶えることができる(ギーツ)
⇒ターゲットを倒すことで得点を獲得でき、100点稼ぐことで特典を得られる。(ガンツ)
④ゲームが終わると世界がリセットされ、巻き込まれて亡くなった一般人も復活するがその記憶はなくしてしまうので認知されることはない(ギーツ)
⇒ミッション中のプレイヤーや星人は一般人からは視認できなくなるので、認知されることはない(ガンツ)
⑤ライダーが死んでしまったら、ゲームが終わっても復活することはない(ギーツ)
⇒ミッション中の死亡はそのまま死亡となる(ガンツ)
⑥「死んでしまったライダーを復活させること」を叶えたい願いとして戦うライダーがいる(ギーツ)
⇒100点メニューで仲間を復活させるために戦うプレイヤーがいる(ガンツ)
⑦ゲーム開始時のライダーは何の装備もない素体だが、宝箱を拾ったり条件を満たすことで強力な装備を得られる(ギーツ)
⇒ガンツからの支給品や、100点メニューで新たな装備を得られる(ガンツ)
⑧主人公の浮世英寿は第1話でデザイアグランプリで勝利して願いを叶え(これまでにも複数回?)、繰り返し次の戦いにも参加している(ギーツ)
⇒複数回100点を獲得して強力な装備と豊富な経験を持つ100点プレイヤーが登場する(ガンツ)
⑨世界は”ジャマト”という謎の怪人たちの脅威にさらされていて、デザイアグランプリはそれと戦い街の平和を守るために誕生したと言われている(ギーツ)
⇒ある大富豪が異星人の大規模な地球侵攻を予知し、それに備えるためにガンツを開発しプレイヤー達を戦わせていた(ガンツ)
こんなところでしょうか。めちゃくちゃ似ていますよね。ですが同時に独自の要素も多く見て取れます。
しかし、注目するべきなのはこの2作品の関係だけではありません。
平成・令和仮面ライダーの作品にはその時々の流行や子供たちに人気なものをモチーフとしている作品が多く存在しています。そうすることで子供たちにとって取っつきやすくしているわけですね。
カードゲーム要素を取り入れた仮面ライダー龍騎や、電車をモチーフとした仮面ライダー電王なんかが分かりやすいでしょう。
このギーツも、おそらく最近流行している「Apex Legends」「FORTNITE」「fall guys」等の多人数バトルロイヤルゲームをモチーフにしていると思われます。
子供から大人まで非常に高い人気を博しているジャンルなので、ライダーのモチーフとするには申し分ないですよね。
これらのゲームは、無作為に選ばれた多くの参加者の中から最後の1人(あるいは1チーム)になるまで戦い、最後まで勝ち残ることで何らかの特典が得られたり自身のランクを上げていくことができ、公式・非公式問わず大会も数多く開催されています。
ギーツの製作陣がGANTZを意識していたのかどうかは分かりませんが、これらのゲーム要素を仮面ライダーのストーリーに落とし込んでいくと、自然とこういう話になっちゃうんじゃないでしょうか。
つまり、ギーツとGANTZで似通っている要素はもう一般的な概念として浸透してしまっているもので、パクリとは言いづらいと思います。
「平和を脅かす悪者を倒すために仲間を集めて旅をする」みたいな物語は星の数ほどあると思いますが、そういう話を見るたびに「これ桃太郎のパクリじゃねーか!」て言う人はいませんよね。
もうそういうレベルの話なんじゃないでしょうか。
大筋の展開は似ていても、ビジュアルやキャラクターたちの個性、人間ドラマ、その他様々なアイデアで物語に膨らみを持たせて差別化に成功している作品はたくさんあります。
逆に、GANTZが連載開始された2000年からそんな世界観を描いていた奥先生の創造力は驚嘆に値すると思いますが、それがこんな嫌味ったらしい発言に繋がってしまったのは哀しい気持ちになります。
実際に著作権を侵害しているどうかを白黒ハッキリつけるには裁判するしかないでしょうが、奥先生にそこまでやる気はないようですね。
いや、冗談です。訴えたりしません
— 奥 浩哉 (@hiroya_oku) September 18, 2022
しかし作者本人が他作品について著作権侵害を匂わせる発言をして「冗談です」で済ませるのは褒められたことではないし、事と次第によっては逆に訴えられてもおかしくない危険なことだと思います。
それに、現状ではGANTZっぽさが否めないギーツですが、まだまだ導入部分で謎も多いので、今後の展開次第では全く異なる設定・ストーリーになってくる可能性も充分にあります。
特に、ゲームの度に世界が丸ごとリセットされて全ての人々の記憶も書き換わってしまうというハンパじゃない規模の大きさには何か重大な秘密が隠されている気がしますね。例えば、現実だと思われている世界がそもそもゲームの世界だったとか…
今後のお話に期待して視聴を続けたいと思います。
『仮面ライダーギーツ』第1話・第2話はyoutubeにて2022/12/31まで無料で視聴することができるので、まだ観ていないという方は是非観てみてください。
また、GANTZも原作漫画だけでなくテレビアニメ化・実写映画化など多数のメディアミックスをしていて、中でも大阪での戦いを描いたCGアニメ映画『GANTZ:O』は美麗なアニメーションで高い評価を得ており、ストーリーも単体で楽しむことができます。AmazonPrimeVideoで視聴することもできるので観たことない人は、是非観てみてください。
以上!
コメント
ガンツ50%FPS30%龍騎20%=ギーツでしょう
そして混ぜればパクリじゃないと言うなら記事の内容はブログAとBから語尾とか記事内の順序とかを変えて
デザインはサイトCに良く似ててABの要素もちょっとって感じならパクリじゃなくなると言う事になります
おかじさんの記事がAに該当しててもコピペでなければパクリだと思わないし訴えないと言う事でよろしいでしょうか?
通りすがりさんコメントありがとうございます!
でも私は「混ぜればパクリじゃない」なんて一言も言ってないですよ。一行目から全部あなたの意見です。
私の記事への感想とご自身の主張がごっちゃになっていませんか?
出して頂いている例も何言ってるのかよく分かりませんが、パクリだと主張するにはそれなりの根拠が必要です。
根拠が充分なら訴えるかもしれないですが、不充分なら訴えないし、相手を貶めるような発言もするべきではないと思います。