2022/3/12より劇場公開された、仮面ライダーオーズの完結編となる10周年記念作品「仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル」を観ました。
今回は映画館ではなく、amazon prime videoの配信で視聴。
あらすじ
西暦2021年、世界は混沌と恐怖に包まれていた。
古代オーズが、800年前から時を超えよみがえったのだ。人類が絶滅の危機に瀕する中、旅に出ていた火野映司が帰還。レジスタンスとして、後藤慎太郎や伊達明、泉比奈たちとともに戦っていた。
アンクと再会を果たす「いつかの明日」は訪れるのか…。
感想を書いていきますが、がっつりネタバレするのでご注意ください。
率直に思ったことを言うとただただ気持ち悪かったです。
仮面ライダーオーズのテレビ本編から10年後を描いた正統続編ということで期待していましたが、まずあらすじの時点で人類絶滅寸前まで世界が崩壊しています。
本編での戦いは一体なんだったんでしょうか。
比奈ちゃんの怪力が爆弾を投げるのに使われていたり、日常の象徴だった知世子さんが銃を持って戦闘員Aと化してるのもひたすらショックでした。
オーズが放送されたのはあの震災があった年でしたが、「欲望」という負のイメージのあるテーマをポジティブに捉えて観ている人に希望を与えて明るく元気にするパワーがあったと思います。
それがオーズの魅力でもありました。
そういった魅力は今回の新作では全く感じられません。終始陰鬱とした雰囲気で、笑顔になれるような場面はウヴァさんがはしゃいでるシーンくらいしかありません。
そして極めつけに映司の死という絶望的なクライマックスを迎えます。
映司は物語開始以前の時点で古代オーズの攻撃から少女を庇って死亡するほどのダメージを負い、人造グリード「ゴーダ」に憑依されることでかろうじて生きながらえていました。
映司が最初に登場した時に「なんかこの映司気持ち悪いな」と思ってたら、実はゴーダが憑りついていたってのは流石の演技力を感じましたね。
作中で映司が登場するシーンはほとんどがゴーダが憑りついた状態で、映司本人の登場シーンは回想とラストの僅かな時間しかありません。
そしてラスト、暴走したゴーダをアンクと共に倒し、あの時庇った少女が無事に生きていたことを知って満足して逝きます。
ここで「やっと手が届いた」って最期に言うのが謎なんですよね。いや謎なシーンは他にも山ほどあるんですけど。
人命を助けるのは本編で何度もやってるし、今作開始以前に人類の大半を虐殺されてるし、何を以て届いたと思ったのか。
そもそも女の子一人助けるくらいでは満足できず、「手の届かない所に届くための力が欲しい」っていうのが映司の欲望だったと思ってたのですが違ったんですかね。
そしてそれは「自分ひとりでは叶えられなくても仲間と手を取り合えば届くことができる。」っていうのがテレビ本編の最終話だったと思ったのですが、今作の映司は自分の命を犠牲にして一人の少女を救って満足して死にました。
本当になんだったんですかね。
しかも映司の死も不可抗力ではなく、身体からアンクを追い出して自ら死を選んでいるようなんですよね。
テレビ本編で比奈の兄・泉慎吾が瀕死の重傷を負ってアンクに憑りつかれ、一年かけて回復したように映司を生きながらえさせることも出来たと思うんですが、アンクも「それがお前のやりたいことなら」と受け入れています。
映司が死んでしっとりバージョンのAnything Goes が流れたときは不可解すぎて感動するどころではありませんでした。
でも悪いところばかりだったかと言えばそれだけではなく
・キャスト勢ぞろい
・映司とアンクの立場が逆転したかのような構図
・映司と一体化するアンク
・新フォーム
などは新作で見られて良かったポイントでした。
でもこれって別に世界が壊滅している必要はないし、映司が死ぬ必要もなかったと思うんですよね。
素人なのであんまり脚本がどうこう言うのもアレですが、古代オーズ復活直後に真っ先に駆けつけた映司が瀕死の重傷を負いつつ壊滅的な被害は防いで、最後はこれまでと逆にアンクが映司を回復させるために頑張っていくみたいなラストなら納得できたと思います。
総じて、「ファンがどういうものを観たいか」よりも「作り手がどういう話を書きたいか」を優先して作られたオ〇ニーみたいな作品だと感じましたね。
完全新作ならそれでも全然いいと思うんですが、オーズという人気作品の10周年記念でいくつもの取って付けたような本編オマージュを散りばめながらそれをやるのはあんまりだと思いました。
一体誰に向けた作品で何を伝えたかったんでしょうか。わざわざ再結集したキャスト陣はどんな気持ちで演じてたんですかね。
いっそ今からでも「実は本編と一切関係ないパラレルワールドでした」ってことにしてオーズの年表から消し去って欲しいです。
そんな作品でした。
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