先日、ある女性プロゲーマーがライブ配信中に「身長170cm以下の男に人権はない」と発言し炎上しているというニュースを目にしました。
普段はあまり関心のない話題なんですが、いい教訓になりそうなので私の考えをまとめておきます。
書き終えた後に見返してみたら普通にいいこと言ってたので、出来れば最後まで読んでください。
前提として、私はこのプロゲーマーのことを今回の騒ぎまで知りませんでした。
問題となった配信も見ていないし今後見ることもないと思います。ネット炎上ニュースなんてそんなものだとご容赦ください。
まずこの発言の文面だけ見ると誰がどう見ても不適切発言ですが、なぜこのような発言をしてしまったのか考えてみます。
おそらく
①身長170cm以下の男は人間ではないと思っている
②身長170cm以下の男に人権は与えられるべきでないと思っている
③人権という言葉の意味を知らずに使っていた
④冗談のつもりだった
のいずれかだと思います。
順に考察していきます。
まず①「身長170cm以下の男は人間ではないと思っている」について
個人の思想は自由ですが、他人の身体的な特徴をあげつらって差別するような物言いには嫌悪感を覚えます。
昨今の世情を鑑みても到底支持を得られない、非難されて然るべき考えでしょう。
次に②「身長170cm以下の男に人権は与えられるべきでないと思っている」について
義務教育を終えていれば誰でもご存じだと思いますが、「基本的人権の尊重」というのは日本国憲法によって全ての日本国民に与えられる「侵すことの出来ない永久の権利」として定められています。
「基本的人権」というのは「健康で文化的な最低限度の生活を送る権利」です。
なので、この発言の意味するところは「身長170cm以下の男は普通に生活を送る権利を持つべきではない」という考えになります。
しかし人権については今言ったように憲法によって定められているので、この考えを通すには憲法改正が必要となります。
憲法改正には、国会議員の3分の2の賛成、国民投票による国民の承認など膨大なプロセスが必要となります。
その難しさは少しでもニュースを見たことがある人ならよく分かるでしょう。
その膨大なプロセスの第一歩として、配信での発言で支持者を集めようとしたのかもしれません。
この①②は、あくまで個人の言動、活動として見ればそこまで目くじらを立てるようなことではないのかもしれません。
ですが、問題なのはこの発言をしたのがスポンサーのついているプロ選手だったことです。
企業が選手とスポンサー契約を結ぶ主な理由は、その選手が活躍することで多くの人に会社のことを知ってもらえたりイメージアップに繋がることを期待しているからです。
その見返りとして、選手に資金提供などの支援を行います。
しかし、選手が好き勝手に自分の思想を垂れ流していては企業のイメージも誤って伝わってしまう恐れがあります。
今回のような不適切発言による炎上の場合、厳しい対応をしなくては所属チームやスポンサーまで「擁護するのか」「同じ考えなのか」と非難の的にされかねません。
ひどい場合は不買運動にまで発展し、明確な損害を被るケースもあります。
なので仕事中だったかプライベートだったかとか、実際の配信内での文脈がどうだったとか、切り抜き方がどうとかも全く関係ないんですよね。
どんな形であれスポンサーのイメージに泥を塗ってしまった時点で、スポンサー企業にとってはメリットがなくなるどころかマイナスになってしまいます。
会社の名前を出したときに「あー、あの炎上した選手の会社ね!」とか言われてしまったら目も当てられません。
お金を払って自社のイメージをぶっ壊してもらってるようなものなので、まともな経営者なら即刻契約解除するでしょう(もうされちゃったみたいです)
そうなると「あの会社は差別発言を許さない良い会社だ!」と逆にプラスイメージに転じることもあるあたりなかなかエゲつない世界ですね。
そして残る可能性③「人権という言葉の意味を知らずに使っていた」④「冗談のつもりだった」について
これらはまとめて『一般常識の欠如』とくくることができます。
ゲームを優位に進める上で必要最低限となる要素を指して「人権」と称するのをSNS等で私も見たことがあります。
なので、もしかしたらそれと似たノリで「自分にとって恋愛対象にならない」といった意味で「人権がない」と言ってしまったのかもしれません。
しかしこの言い回しは一般的な感覚とはかけ離れていると言わざるを得ません。
そもそも私からすれば、そんなゲームの要素に「人権」という言葉を使っていること自体が不適切です。
常識の欠如というのは、ある意味では本人の思想の話よりも厄介な問題です。
なにしろ常識が通じないので、いくら本人が反省したところで今後何をしでかすのか全く予想できません。
この選手にどれだけ人気があったのかは知りませんが、マイナスイメージをもたらす可能性がある時点でいないほうがマシです。
プロ志望のゲーマーは年々増えていることもあり、「常識がない」=「企業にとってリスクが高い」選手の居場所はこれからもどんどんなくなっていくでしょう。
この一般常識というのは一朝一夕で身につくものではなく、本で読むなどして覚えるのも難しいものです。
それは、幼少期からの経験の積み重ねで徐々に蓄積していくものだからです。
それが一番よく身につく場所と言ったら、やはり『学校』だと私は思います。
学校では先生やクラスメイト、先輩後輩、時には地域の大人たちなんかとも、自分の好き嫌いに関わらずコミュニケーションを取っていかなくてはなりません。
やりたくないことをやらなきゃいけないこともあるでしょう。
そういった経験の中で、
「みんなの前で○○をしたら恥ずかしかったな」とか
「Aさんはこれをしたら喜んでくれたけどBさんには怒られちゃったな」とか
「いつも○○してるCさんは人気で、××してるDさんは嫌われてるな」とか
ってことを少しずつ学んで常識というのは養われていきます。
そして、それは学校に限った話ではなく社会人になってからも、オッサンオバサンになってからも一生続きます。
自分の好きな人たちや、居心地のいいコミュニティとしか関わっていないと次第に自分の中の常識が世間とはかけ離れていって、今回の騒動のような問題発言を引き起こしてしまいます。
私自身、もちろんプロでもなんでもありませんが、こうしてブログで発信を行い少なくない方々に見て頂いているので教訓としてしっかりと胸に刻んで参ります。
もし「将来はプロゲーマーかyoutuberになるから学校なんて行かなくていい」とか言ってるキッズがいたら、そんな君こそ一番学校に行かなきゃいけません。
件の女性プロゲーマーは既に所属チームから契約を解除されプロではなくなってしまったみたいですが、そんな人にも人権はしっかり認められています。今後も強く生きてください。
最後に、心に傷を負ってしまった身長170cm以下の男子たちに言いたいことがあります。
実際のところ身長が低いこととモテるかどうかは関係ありません。
中には今回問題になった発言のような考えの女性もいるかもしれませんが、そんな奴こっちから願い下げなので気にしなくていいです。
そう考えるのは、私の友人に身長165cmだけど人生の半分以上の間彼女が途切れたことのないモテ男がいるからです。
よく「いい子いるから紹介するよ!」と女の子を連れてくるんですが、ずっと2人でイチャイチャしてて全く付け入る隙がないのでムカつくくらいです。
この前、その男に「どうしたらそんなにモテるの?」と聞いてみました。
すると「流行の歌を覚えろ」と言われました。
今は優里という方の歌のウケがいいらしいです(全然知らんかった)
カラオケでカッコいい姿を見せられるってのもあるとは思うんですが、私なりに解釈して
「自分が好きなことだけじゃなくて、他の人はどんなものが好きなのか興味を持って、一緒に楽しもうという姿勢」が自然にできていることが大事なんじゃないかという結論に至りました。
非モテ男子諸君は僕と一緒にカラオケで優里さんの歌を練習しましょう。
以上!
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