今更だが映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』観てきた【感想】

ガンダム

遅ればせながら映画『機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ』を観てきました!

 

というわけで感想を書いていきます。

極力次回以降の話の原作ネタバレはなしでいきますが、今作の内容についてはガンガンネタバレするのであしからず。

 

まず率直に言って、想像の何倍も面白かったですね。


原作小説は読んだことないんですが、Gジェネ等のゲームでストーリーは知っていたので「陰鬱な雰囲気なんだろうな」と思っていたら予想外に明るく見やすい映画でした(MS戦は夜ばっかで暗かったけど)

 

雰囲気のことも含めて全体的にミスリード(?)って言葉が相応しいか分かんないですが、視聴者を騙すような演出が見事だったように思いますね。

分かりやすいとこで言うとガウマンがダバオを襲撃し、迎え撃つ連邦軍MS部隊との市街地を巻き込んだ戦闘シーン。

降り注ぐ戦火から命がけでギギを守るハサウェイの姿は多くの人にヒーローのように映ったと思います。

でも冷静に考えてみると、そもそもあの大惨事を引き起こしたのはマフティー=ハサウェイであり、ある意味ハサウェイの自作自演のようなものなんですよね。

マフティーの拠点でもみんな若いし爽やかで大学のサークルみたいな感じで、「腐敗した連邦政府を正す」という目的に向かって戦う正義の集団にぱっと見では思えますが、実際あいつらただのテロリスト以上でも以下でもないんですよね。

 

でも「自分たちは正しいことをやっている」と心から信じて行動しているキャラクターたちの心理に、つい「こいつらいい奴らなんだな」と観ているこっちまでつられて思ってしまうようでした。

 

マフティーの行動原理の確固としているようであやふやな感じもする所は作中でも度々指摘されていましたね。

ハサウェイが「1000年後の地球のことを考えて…」て言ってたらタクシー運転手に「暇なんだねその人」と返されて言葉に詰まってしまったり。タクシー運転手の見た目がヤバめで対するハサウェイが何から何まで優秀だからなんとなくタクシー運転手の言葉に説得力がないように演出されてる気がするんですが、実際わりと本質ついてるんですよね。

1000年後の問題なら1000年かけて解決してもいいのであり、ことを急ぐ様は「逆襲のシャア」でシャアがアムロに指摘されていたことを思い出します。

 

ハサウェイ=マフティの目的は、

腐敗した連邦政府を正す

⇒特権(地球に住む権利)があるから腐敗が生まれる

⇒全ての人類を地球から追い出す

⇒そのために地球連邦政府の要人を次々に暗殺し脅している

 

っていうのが表向きのものですが、まあたぶんこれも建前にすぎないんですよね。いくら戦争を繰り返しても何も変わらないっていうのはこれまでの宇宙世紀の歴史でもハッキリしていることで、ハサウェイにも本当は分かっているはずです。(ファーストから何度も戦争や大事件があったのに一貫して腐敗し続けてる連邦政府すごすぎ)

本音は過去に(逆襲のシャア)クェスを目の前で失ってしまったトラウマから逃れるために何か行動しなくては、っていう強迫観念みたいなものなんだと思います。

逆シャアで地球にアクシズ(巨大隕石)を落として強制的に地球の人々を宇宙に追い出そうとしたシャアの本音が「アムロと決着をつけたい」だったみたいに。

ただ、なんやかんやナナイはそんなシャアのことも理解してそうだったり周りが優しかったシャアと違ってハサウェイは周りにそういう理解者いなさそうなんですよね。というか、ギギに対する態度とか見ていると自分から遠ざけているようです。

 

今回の映画だと特に語られてなかったんですが、ハサウェイって元々うつ病だったんですよね。

そこに映画の最後にちょろっと出てきたケリアが勧誘したことで火がついてテロ組織のリーダーにまで躍進してしまうっていう。

私の学生時代にも、放校されるギリギリ限界まで留年した挙句に某国際テロ組織に志願しようとして成田空港で拘束された人がいたんですけど、ハサウェイの姿はその人と被ってしまいます。

この映画を観たら、傍から見るとヤベー奴でも、本人からしたら一大決心をして自分なりに正しいと信じたことをしようとした結果だったのかもしれないとか思ってしまいましたね。だからと言って擁護できるものじゃないんですけど。

 

マフティーの場合は民衆からの支持を得てしまっているのが質の悪いところですが、既に調査官のおっちゃんから「テロという手段は結局は支持されない」と言われていたり、支持している民衆も「なんとなく連邦と戦ってるから」応援しているだけで実際の思想にはズレがあったり(ダバオの民衆は「人狩り」を止めてくれることを期待していたが、マフティーの目的からすると「地球の人々を宇宙へ送り出す」人狩りを止める理由はない、等)綻びが見えてきています。

第一部ではマフティーの明るい部分を強調しつつちょいちょい影を見せてきていましたが、そのバランスが次回作以降でどう変わっていくのか非常に楽しみです。

 

たぶんこの先の展開は完全に原作通りにはならないと思いますが、特にMS戦は今回暗くてよく見えないシーンが多かったので明るいとこでのド派手な戦闘に期待したいところですね。

個人的な予想としては、最終章ではフルアーマークスィーガンダムとかオデュッセウスガンダムにペーネロペーユニット以外の新形態ができたりするんじゃないかと思っています。というか期待してます。

 

あとギギの仕草がやたらエ〇かったり、Ξ(クスィー)ガンダムやペーネロペーなどのMSがひたすらカッコよかったり魅力の尽きない映画でした。音響も大迫力だったので是非映画館で観ることをおすすめします。

 

以上!

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