前回は「次回は『タイミングを逃す』について」と言いましたがあれは嘘です。
途中まで書いたんですが、先に説明した方がよさそうなものが出てきてしまいました。
それが「任意効果」と「強制効果」です。
「モンスターが召喚されたとき~」とか、「効果が発動したとき~」みたいな発動のタイミングを指定する効果は、「任意効果」と「強制効果」に分かれます。
これは日本語の通りで、条件に合う状況となったときに必ず発動しなくてはならないのが「強制効果」で、プレイヤーが発動するかどうかを選択できるのが「任意効果」です。
具体例を出すと「氷帝メビウス」のように「~できる」と可能の形で書いてあるのが「任意効果」で、
「邪帝ガイウス」のように「~する」と断定されているのが「強制効果」となります。
たまに分かりづらいのもいますが、だいたいはこのように文末の書き方で見分けることができます。
この違いが実際のデュエルではどのように出るかというと、まず相手の場にカードが一枚もなく自分の場には魔法罠が伏せてある状況で氷帝メビウスをアドバンス召喚したとします。
メビウスの効果は任意効果なので、効果を発動しないという選択ができます。
一方、同じ状況で邪帝ガイウスをアドバンス召喚した場合。
ガイウスの効果は強制効果なので、相手の場にカードがなければ自分のカードを除外しなくてはいけません。
考えなしにカードを出していたら勝手にピンチになってしまうわけです。
これが「任意効果」と「強制効果」の基本的な違いですが、実はさらに重要な違いもあります。
それは「チェーンを組む順番」です。
複数のカードが同時に発動条件を満たすタイミングが発生した場合、
①ターンプレイヤーの強制効果
(自分のターン中なら自分がターンプレイヤー)
②非ターンプレイヤーの強制効果
③ターンプレイヤーの任意効果
④非ターンプレイヤーの任意効果
の順番でチェーンを組みます。
つまり、墓地に送られたときに「強制効果」を発動するクリッターをリリースして
「任意効果」の氷帝メビウスをアドバンス召喚し魔法罠を破壊する効果を発動する場合は、
自動的に
チェーン1:クリッター
チェーン2:氷帝メビウス
となります。これがクリッターと同じ「強制効果」のガイウスだったら
チェーン1:クリッター
チェーン2:邪帝ガイウス
でも
チェーン1:邪帝ガイウス
チェーン2:クリッター
でもどちらでも選べます。
これを自分で毎回選ぶか自動にするかはゲーム設定で選ぶことができます。
「そんなのどっちが先でもよくない?」と思う方もいるかもしれませんが実はこれがけっこう大事です。
それは、よく使われる「灰流うらら」のような誘発効果は直前のチェーンに対してしか使うことができないからです。
つまり
チェーン1:邪帝ガイウス
チェーン2:クリッター
の順番でチェーンが組まれていると
チェーン3:灰流うらら
を発動しクリッターの効果を無効にすることができますが、
チェーン1:クリッター
チェーン2:邪帝ガイウス
の順番でチェーンが組まれると灰流うららを発動すること自体ができません。
もう一つ例を出すと、モンスター効果の発動を無効にして破壊するカウンター罠「天罰」の場合。
チェーン1:邪帝ガイウス
チェーン2:クリッター
チェーン3:天罰
だと
チェーン3解決:天罰の効果でクリッターの効果を無効
チェーン2解決:クリッターの効果は天罰の効果により無効
チェーン1解決:邪帝ガイウスの効果でカードを一枚除外
となりますが、
チェーン1:クリッター
チェーン2:邪帝ガイウス
チェーン3:天罰
だと
チェーン3解決:天罰の効果で邪帝ガイウスの効果を無効にし破壊
チェーン2解決:邪帝ガイウスの効果は天罰の効果により無効
チェーン1解決:クリッターの効果でデッキからカードを手札に加える
となります。
なので、自分がどちらの効果を通したいのかでチェーンを組む順番を考える必要があるというわけです。
また、これが「強制効果」の邪帝ガイウスではなく「任意効果」の氷帝メビウスだった場合、特に破壊したいカードがなくてもあえて発動してクリッターの後にチェーンを組むことでクリッターの効果を邪魔されずに通すというプレイングもできます。
かなりややこしい話ですが、こういう細かい差の積み重ねが勝敗を分けます。
特に私が使ってるホープデッキだと「エクシーズ・チェンジ・タクティクス」とZSでしょっちゅうこのようなシチュエーションが生まれるので非常に重要な考え方になります。
最初は自動設定でもいいと思いますが、慣れてきたら是非「発動順の設定『する』」にしてみてください。
では今回は以上!
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