Amazon Prime Video限定で配信されている海外ドラマ『THE BOYS』シーズン1を観たので、感想書きます。
面白くって、全8話一気に観てしまいました。
※序盤のネタバレも若干含まれるのでご注意ください。
Amazon.co.jp: ザ・ボーイズ シーズン1 (字幕版)を観る | Prime Video
欲と名声にとりつかれたスーパーヒーローたち。非公式に「ザ・ボーイズ」と呼ばれるグループが腐敗したスーパーヒーローたちを倒そうとする。特殊能力を持たない彼らは根性と信念で悪しきヒーローに立ち向かう。
アメリカのヒーロー物なんですが、この作品の面白いところは平和を守るスーパーヒーローが主人公たちにとっては悪役になっているところです。
例えるならシビル・ウォー/キャプテンアメリカのヴィラン側視点のお話みたいな感じですかね。まあこの作品のヒーローたちはアヴェンジャーズと違って本物のドクズなんですけど。
どんなクズかというと、私利私欲のために平気で人を殺したり、墜落する旅客機の乗客たちを見殺しにしたうえでプロパガンダに利用したり、女性の口に男の汚いナニをねじ込んだりです。
ヒーローたちは表面上は平和を守るために活動しているので、とんでもない人気があり各業界へ非常に高い影響力を持っています。そのためにスキャンダルがあっても揉み消され、やりたい放題です。さらに実力は本物で通常兵器が一切通用しないので本当に手に負えません。
ヒーローのトップチーム「セブン」のリーダー・ホームランダーは
スーパーマンと
キャプテンアメリカと
サイクロプス
をあわせてサイコパスにしたような感じのやべー奴です。
アヴェンジャーズシリーズの大ヒットでヒーローブーム的なものが来ていますが、大人気ヒーローにも裏の顔があるのかもしれない。そんな想像を膨らませる本作は昨今のヒーロー文化に対する皮肉的な意味も持ってるのかもしれません。
そんなわけでヒーローに理不尽な目に合わされても被害者たちは泣き寝入りするしかありませんでしたが、それでもヒーローを倒そうとするのがボーイズで、主人公の青年ヒューイもその一人です。
作品の雰囲気としては、冒頭からヒューイを悲劇が襲ったりとシリアスな場面もあれば、全体としてはブラックコメディというかギャグっぽいシーンも多いです。
印象的なのが第2話で「セブン」のスーパーヒーローの1人、トランスルーセントを殺そうとする話です。
トランスルーセントは身体を透明にできる上、皮膚はダイヤモンドよりも硬く銃でも傷一つつかず窒息することもないというチートみたいなキャラクターです。
どうやったら殺せるのか試行錯誤するシーンにはどこかおちゃらけた雰囲気があり、最終的に出た方法はギャグとしか思えない方法です。
ですがそれを実行するとなると、それまでのギャグのような雰囲気から急激にシリアスな雰囲気へと変わります。
ボーイズの仲間たちはどこかネジが飛んだような奴らですが、ヒューイは少し前まで電気屋の店員だった本当にただの一般人です。そんなヒューイが人の死に直面する場面ではこんなふざけたような話でも人の命は重いんだと思い知らされ、他の作品ではなかなか味わったことのない独特な空気があります。
ヒューイは復讐を目指すといっても状況に流されたようなところもがあり、割り切ることができずに常に葛藤を抱えています。そんなヒューイの感情や周囲の人たちとの関係の変化もこのドラマの魅力の一つです。
ヒューイたちの視点でみるとヒーローたちは悪でしかないですが、悲劇に見舞われる以前のヒューイが熱狂的なセブンのファンだったように、ヒーローは本当に大人気で圧倒的な支持を得ており、悪いことをしている以上にたくさんの人々を救ってるのも事実です。
一方で、ボーイズのやり方は到底正義とは言えない姑息で卑怯なものです。超人たちに一般人が対抗する以上仕方ないですが。そんなある意味リアリティのある構図も面白いポイントです。
ボーイズたちはヒーローとどう戦っていくのか、ヒーローたちの隠す本当の秘密は何なのか、ヒューイたちはこれからどうなっていくのか、気になる展開の連続ですが残念なことに「シーズン1」とあるようにまだ完結していません。しかもめっちゃ先の気になる終わり方をします。
シーズン2の製作も既に発表されてはいますが、配信時期は未定でどんな話の展開になるのかも全く予想がつきません。
正直ホームランダーが強すぎて倒せるヴィジョンが全く浮かばないですが、結局和解して終わりなんてことになったら肩透かしがすぎるので、しっかり倒すアイディアを出してくることを期待しています。
みなさんも気になったらぜひ観てみてください!
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