先日、遊戯王デュエルリンクスの世界大会KC Grand Tournament 2021の決勝トーナメントが開催されいろんな意味で話題になっております。
いろんな意味というのは、もちろん各選手たちが組み上げてきた至高のデッキと驚くような戦略による熱いデュエルってのもあるんですが悪い意味での盛り上がり方もしてしまったようです。
それが、試合の中で発生した数々の不具合・不手際です。
例を挙げると、
①エラーにより試合が中断され再開される
②選んだものとは違うデッキが使用される
③使用したはずのスキルが発動されない
④長時間の拘束による選手への多大なる精神的負荷
などです。(詳しくはyoutubeとかで紹介してる人いるのでそっち見て)
これはどれだけ怒られても仕方ないですよね。
だがちょっと待って欲しい
コナミデジタルエンタテイメント「遊戯王デジタルゲーム」製作チームシニアプロデューサー片岡さんはこのゲームのことを何と言っていたでしょうか?
そう、遊戯王デュエルリンクスは「『遊戯王』の漫画・アニメの世界観を楽しんで頂くキャラクターゲーム」だと言っています。
ここで今回起きた問題を振り返ってみると、なんと遊戯王シリーズの漫画・アニメで実際に起こったことばかりなんですよね。
順に見ていきます。
まずは
①エラーにより試合が中断される
こんなシチュエーションはよくあった気がしますが、私がぱっと思いついたのは「遊戯王ARC-V」第129話「覇王の片鱗」での榊遊矢&赤羽零児VS赤羽零王のデュエルですね。
主人公とライバルのタッグ対ラスボス(っぽい人)という激アツな対戦カードで、デュエルの展開も佳境に差し掛かったところで遊矢が暴走してしまい、これを止めるために遊矢の父・遊勝がデュエルに乱入し罠カード「衝撃の拘束剣」を発動します。
なんとこのカードは正式に認められていない、遊勝自作のオリカであり、デュエルディスクに不正なカードを検知させることで意図的にデュエルを強制終了させます。
細かな状況は異なりますが、これを見たときの視聴者の呆気にとられる様と今回の世界大会決勝を観戦した皆さんの心境は非常に似たものだったでしょう。
実際に試合をしていた代表選手の方々は、この時のキャラクターたちの気持ちを味わえたのではないでしょうか。
②選んだものとは違うデッキが使用される
こんな状況もいくつかあったような気がしますが、印象的だったのは「遊戯王ZEXAL」第138話「混沌(カオス)たる存在(もの)『ドン・サウザンド』光来!!」でのミザエルVSドン・サウザンドのデュエルです。
かつての敵であったミザエルと、真の姿を現した全ての元凶たるドン・サウザンドが戦うというこれまたアツい対戦カードです。
このとき、ミザエルは自分の身を犠牲にしてでもドン・サウザンドを倒そうと魔法カード「竜皇の崩御」を発動し相打ちを狙いましたが、実際に場で発動されていたカードは「竜皇の宝札」であり、わけが分からないまま敗北してしまいます。
デュエルが始まった時、自分が選んだデッキではないカードが手札に来た時の選手は、ミザエルと同じような心境だったのではないでしょうか。
③使用したはずのスキルが発動されない
スキルはOCGでにはないデュエルリンクス独自の要素でしたが、「遊戯王VRAINS」でも登場していました。
第75話「心に取り付く鬼」では、かつての勇ましい姿は見る影もなくなってしまったGO鬼塚が、イグニスの一人であるアースとのデュエルで「アンチスキル」という相手のスキルを不発にするという驚愕のスキルを使用します。
これによってスキルを決め手にしていたアースの戦術は一気に瓦解してしまいます。
「セットデルタアクセル」や「進化した究極ドラゴン」を使用してもエクストラデッキにカードが追加されないことに気づいた選手はアースと同じような絶望感を覚えたのではないでしょうか。
④長時間の拘束による選手への多大なる精神的負荷
拘束も精神的負荷も遊戯王ではもはやお馴染みといっていいと思いますが、一番はやっぱり闇マリクでしょう。
原作漫画の遊闘222「神の目覚め!!」でのバトルシティ決勝トーナメント・孔雀舞VSマリク・イシュタール。
闇マリクの使った「万力魔神バイサー・デス」「バイサー・ショック」が舞へと行った処刑攻撃で特殊な性癖に目覚めさせられたキッズも多いでしょう。
アニメ版遊戯王デュエルモンスターズの第92話「古代神官文字(ヒエラティック・テキスト)の謎」ではこの2体のモンスターは「ホールディング・アームズ」「ホールディング・レッグス」に差し替えられていますがかえって危ない感じになっている気がしないでもありません。
ちなみに、アニメ版では舞の記憶が奪われるなどより精神攻撃が苛烈になっていたり、第91話「神のカードを奪え」では回想でロリ舞が登場するなどお得になっています(何が)
おそらく、この舞が受けた責め苦にも匹敵するであろう苦境を耐えて戦い抜いた代表選手たちはそれだけでも皆賞賛に値します。
このように、今大会の一見すると悲惨な運営は、「原作漫画・アニメの世界観を楽しむ」というデュエルリンクスの目的にはある意味適ったものであったと思います。
世界を賭けた大舞台で理不尽なデュエルを強いられるというアニメキャラクターたちと同じ境遇を味わえた選手たちは存分に遊戯王の世界観に浸れたことでしょう。
ただ、やはり問題なのは誰もそんなことは求めていないということですね。
初心者向けのキャラゲーであるデュエルリンクスの大会ですらまともに運営できないのに、本格派をうたうマスターデュエルの運営など本当にできるのかと疑問に思ってしまいます。
もういっそリンクスの世界大会は今度から(まだあるなら)不具合、トラブル、いきなりの特殊ルールありきでアドリブ力も含めて競うなんていうのはどうですかね?
なぜか何人かサルガッソの灯台を採用していたりとか
そんな感じでした。
デュエルリンクスを競技性の高いゲームと考えている人はこの先どうこのゲームと付き合っていくのか、今一度見つめなおした方がいいかもしれません。
個人的には競技性うんぬんっていうのは完全にマスターデュエルに任せてデュエルリンクスはキャラゲーとしての特長を伸ばしていってほしいものですが、現状のデュエルリンクスにキャラゲーとしての魅力をほとんど感じられてないので今後よほど革新的な変化がない限りもう厳しいかもしれません。
サービスの続く限りは楽しんでいきたいと思ってはいますが…
もし不快に思った方いらっしゃったらごめんなさい
以上!
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